ヘレディタリー 継承 ネタバレ 感想 考察

ヘレディタリー

ヘレディタリー 継承のレビュー記事です。

アリ・アスター監督のの長編映画デビュー作であるこちらの作品。
もう本当にね、これがデビューなの!?って驚き。
かなりインパクトが強くて、見てから数日間はずっと頭に残ります。

では、あらすじからどうぞ↓↓

あらすじ

グラハム家の祖母・エレンが亡くなった。娘のアニーは夫・スティーブン、高校生の息子・ピーター、そして人付き合いが苦手な娘・チャーリーと共に家族を亡くした哀しみを乗り越えようとする。自分たちがエレンから忌まわしい“何か”を受け継いでいたことに気づかぬまま・・・。

やがて奇妙な出来事がグラハム家に頻発。不思議な光が部屋を走る、誰かの話し声がする、暗闇に誰かの気配がする・・・。祖母に溺愛されていたチャーリーは、彼女が遺した“何か”を感じているのか、不気味な表情で虚空を見つめ、次第に異常な行動を取り始める。まるで狂ったかのように・・・。

そして最悪な出来事が起こり、一家は修復不能なまでに崩壊。そして想像を絶する恐怖が一家を襲う。

“受け継いだら死ぬ” 祖母が家族に遺したものは一体何なのか?

公式サイトより
登場人物
  • エレン・・・アニーの母。解離性同一性障害を持ち、認知症も併発していた。チャーリーが生きがいだった。
  • アニー・グラハム・・・グラハム家の母親。ミニチュア制作の仕事をしている。エレンとの仲は良くなかったが同居していた。
  • スティーブン・グラハム・・・アニーの夫。物静かな性格で理解力がある。
  • ピーター・グラハム・・・グラハム家の長男。夢遊病のアニーに殺されそうになり、仲が悪くなった。
  • チャーリー・グラハム・・・グラハム家の長女。祖母のエレンとは仲良しだが、友達はいない。スケッチブックをいつも持ち歩いている不思議な雰囲気の少女。

ここからネタバレです※


アニーはミニチュア制作を生業としており、近々個展を開く予定でした。
そんなある日、母であるエレンが亡くなります。
アニーは少しの悲しみはあったものの、どこかホッとしている様子。

エレンは解離性同一性障害を持っており、他人に干渉して操る様な性格だった為、あまり近づかないようにしていたのです。

しかし孫が生まれ、干渉したがるエレン。長男であるピーターをどうしても近づけたくなかったアニーは、長女チャーリーをエレンに差し出します。(この時点でオイ、ひどいなって感じですよね)
エレンは大喜び。チャーリーを溺愛し、アニーに代わりチャーリーを育て、2人は家族から孤立していました。

エレンの葬儀から少し落ち着いたある日、アニーが遺品を整理していると、不思議な光が部屋の中を走ったり、誰かが家にいるような気配がしたりと奇妙な事が起こり始めます。
祖母の死にショックを受けたのか、チャーリーがグロテスクな絵を描くようになったり、死んだ鳥の頭をハサミで切り落としたり・・・(チャーリー役の女の子のお顔が正直ちょっと怖いので、この時点で私は叫びました)

そんな中、夫であるスティーブンに一本の電話。内容は、祖母エレンの墓が墓荒らしにあい遺体が盗まれたと。
個展や不思議な現象等で追い詰められているアニーにこれ以上負担をかけたくなかったスティーブンは黙っておくことにしました。

ある夜、ピーターは友達にパーティに誘われます。
BBQに行くんだと嘘をつき車を借りようとしますが、アニーはチャーリーを連れて行かないのならば車は貸さない、BBQにも行かせない。と条件を出します。

仕方なくチャーリーを連れてパーティへ出かけるピーター。

会場では音楽がガンガン鳴り、踊る若者たち。場違いな場所に連れてこられ、困惑するチャーリーはピーターから離れません。
早く友人とマリファナを吸いたいピーターにとっては、チャーリーが邪魔です。
「あそこに大好きなチョコケーキがあるぞ!もらっておいで」と言い残し、ピーターは2階へ。(チャーリーかわいそう。。)

そして友人とマリファナを楽しんでいたピーターのもとに、突然苦しそうなチャーリーが飛び込んできます。
チャーリーはチョコケーキに入っていたナッツによってアレルギー症状を起こしたのです。
ゼーゼーヒューヒューと苦しそうなチャーリー。一刻の猶予もなさそうです。

焦ったピーターはチャーリーを車に乗せ、病院へ向けて猛スピードで発進!(チャーリー少し見直した)
後部座席に乗っているチャーリーは息が出来なくて、苦しくて、窓をあけて身を乗り出し何とか酸素を吸おうとします。
そんな事には気づかず、突然道に出てきた鹿を避けようと咄嗟にハンドルをきったピーター。

バン

電柱にチャーリーの頭がぶつかり、首が飛んでいきます。(このシーン、トラウマです)
しばらく呆然とするピーター。ゆっくりと車を走らせ何も無かったかのように自宅に帰りベッドに横になります。恐怖で混乱してしまったのでしょうね。

翌朝、アニーが車で出かけようとした時にチャーリーの首なし死体を発見し、絶叫します。

精神的に参ってしまったアニーは、遺族の会(自助会?)に参加し、そこでジョーンという女性に出会います。
彼女も子供と孫を亡くしており、アニーに優しく親切に接してくれました。
ジョーンに段々と心をひらくアニー。
自分が夢遊病であり、以前子供たちと焼身自殺を図ろうとした事があってピーターに嫌われている、距離を置かれている事を打ち明けます。

そんなある日、アニーはジョーンの家に招かれます。
降霊術で亡くなった息子や孫と交信出来るのだと興奮気味に話すジョーン。
半信半疑で立ち会ったアニーは、不思議な現象を目の当たりにします。
ジョーンはアニーに降霊術のやり方を教え、こう言います。
「チャーリーの命は奪われていない。彼女は死んでいない」

自宅に帰り早速降霊術をしてチャーリーを呼び出すアニー。
嫌がるスティーブンとピーターも立ち会わせます。

ひとりでにグラスが動き、アニーは「チャーリーよ!チャーリーがここにいるの!」と興奮しながら2人に喜びを共有しようとしますが、2人は怖がり降霊術をやめさせようとします。
しかしアニーはやめず、そのうち不気味な唸り声をあげて、チャーリーそっくりな声で喋りだしました。

怯えるピーター。危険を感じたスティーブンはアニーに水を浴びせて意識を戻させます。
憑依されていた記憶がないアニーは、降霊術を邪魔されたと、苛立ちを募らせます。


そしてピーターは幻覚に悩まされるようになりました。
部屋にチャーリーらしき姿を見たり、授業中にふと自分がうつるガラスを見ると、ガラスにうつった自分が笑いかけてきたり・・・

ある日、アニーは母エレンのアルバムを見ていました。
するとそこにはエレンと一緒に写るジョーンの姿が。

エレンとジョーンはペイモンという悪魔の王を崇拝するカルト教団の仲間だった事を知ります。

・ペイモンを呼び覚ますには”男の肉体”が必要だ
・失う物に嘆くな、犠牲は恩恵のためにある
等と書き記されたノートも発見。
ジョーンに話を聞こうと探しますが、ジョーンはどこにもいませんでした。

自宅に帰り、ふと屋根裏部屋が気になったアニー。
のぞいてみると、そこには母エレンの腐敗した首のない遺体が・・・。

その頃ピーターは学校で”見えない何か”によって、机に頭を打ち付けられ鼻の骨を折ってしまいます。
学校から電話を受けたスティーブンはピーターを迎えに行きます。

自宅に戻った2人を待っていたのは興奮したアニー。ピーターはうんざりとした様子で自室に入ります。
スティーブンにノートの事、屋根裏のエレンの死体の事をまくしたてるアニー。
「ピーターが狙われている。このノートを燃やさないといけない。あなたがやって!」
(アニーが燃やそうとするとアニーの体に火が付くという現象が起きたため)

アニーの降霊術やヒステリックなどに嫌気がさしていたスティーブンは取り合ってくれません。警察に通報するといい離れていこうとします。
自分で何とかしないと!と思ったアニーは意を決して暖炉の中にノートを放り込みます。
すると燃えたのはアニーではなくスティーブン。
丸焦げになったスティーブンを見て絶叫するアニーでしたが、突然真顔になり正気を失います。

自室で目を覚ましたピーター。
父母を探してリビングにやってくると、そこにあったのは丸焦げの父親の死体。
愕然とするピーターは気配を感じて後ろを振り返ると、憑依されて様子のおかしいアニーがこちらを見ていて、襲い掛かってきます(壁に張り付いていたりと動きがもう人間じゃない)

急いで屋根裏に逃げ込んだピーター。
しかし屋根裏部屋ではペイモン復活のための儀式の準備がなされていました。
不気味な音がして上を見てみると、空中で自らの首を鋸で切り落としているアニーの姿が。

ピーターは逃げ出したい一心で窓を突き破ってダイブ!!
地面に叩きつけられ動かなくなったピーターに一筋の光が降り注ぎます。それはチャーリーの魂。

ピーターの体に憑依したチャーリーは、かつてお気に入りだったツリーハウスへと向かいます。
そこには首のないエレンとアニーの遺体と、ペイモンを崇拝している裸の男女たちが土下座して待ち構えていました。
男の肉体を得たチャーリーはペイモンの王位を継承し、王冠をかぶせられ祝福されます。

おしまい


考察

アニーのペンダント/ペイモンの紋章
アニーのペンダント

これはアニーがエレンから受け継いだペンダントです。
この特徴的な形は、実はペイモンの紋章です。

チャーリーがぶつかって死んだ電柱には、この紋章が刻まれていました。
チャーリーが死んだのは事故ではなく何かしらの力がはたらいたのでしょうね。
グラハム家の女性は皆首を切断されます。ペイモンの生贄となったという事です。

ジョーンからの呪い

エレンとジョーンはペイモン教の信者で、共にピーターの肉体を使いペイモンを復活させようという目的がありました。
学校にいたピーターが、通りの向こう側にいるジョーンに睨まれながら何かを言われているシーンがあります。
あれは「お前の肉体から出ていけ」と言われており、ピーターの魂を肉体から追い出そうとして呪いをかけていたようです。ピーターの魂があるとペイモンの肉体が入れない為ですね。

アニーのミニチュアハウス

ミニチュア模型アーティストのアニー。
彼女が作り続けているミニチュアの意味は、グラハム一家はペイモンの手の内、人形に過ぎないといった意味が込められているのだと考えられます。

チャーリーの舌打ち

劇中で何度もなるチャーリーの舌打ち。コッという音。
あれはチャーリーの体にペイモンの魂が既に宿っているものだと考えられます。
アニーが「チャーリーは生まれた時から泣かなかった」と言うシーンがあった事から、生まれたときからペイモンが宿っていたのではないかと。
ペイモンという名前の由来がヘブライ語で”POMN”(チリンチリンという音)と言われているのも、関係あるのかもしれません。

アニーの兄

アニーの兄。ダジャレじゃないですよ。笑
アニーにはチャールズという兄がいましたが16歳の時に自殺しています。
エレンは元々チャールズを介してペイモンを復活させようとしていて、それに気づき自殺したのだと思われます。
「母が自分の中に何かを入れようとした!」とチャールズが残した言葉があるので確実ですね。
ちなみにアニーの夫、スティーブンは純粋なグラハム家の男ではないので生贄として不合格のようです。

アニーの夢遊病

アニーが夢遊病中にピーターの首を絞めようとした事件。
あれはきっと無意識にピーターを殺す事によって救おうとしていたんだと思われます。
それよりもっと前に、夢遊病中にピーターとチャーリーを巻き込んで焼身自殺しようとした時もありました。
これもグラハム家の血を絶やす事で救おうとしていたんですね。生きていたらきっと逃れられない運命が待っている事をアニーは心の奥底で無意識に気づいていたのかもしれません。

感想

前半は不気味な雰囲気で何が起こるのかドキドキしながら見ていました。
が、話が進むにつれて残酷さ・グロテスクさが急加速して心臓ついていきません( ;∀;)
スティーブンが燃えた時は「お前が燃えるんかいっ!!」とつい突っ込んでしまいました。笑

少し複雑なストーリーですが、きちんと伏線も回収されてますし、2回目は様々な謎が解けてもっと楽しめる作品だと思います。

アニー・スティーブン・ピーター・チャーリーは何か悪い事してしまった訳ではありません。逃れられない血筋のもとで、全員が不幸になります。不条理としか言いようのない悲しいお話ですね。

見ていない方は是非。新感覚のホラーだと思います。

公式ネタバレサイトがありますので、気になった方はこちらもチェック↓↓
http://hereditary-movie.jp/nazo/

長文・乱文失礼いたしました。所々文章がおかしいかもしれません。。

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