『呪詛』あまり怖くないかも?と思った人集まれ

Netflixで話題の呪詛(台湾映画)ネタバレ解説・考察まとめ

Netflix呪詛タイトル画像
(C)2022 Netflix

ついに見ましたー!SNSで話題の呪詛。
大勢の方の「怖すぎる」「眠れない」「夜が怖い」などの感想を目にして、ビビりまくりながら見ました。真夏なのに毛布にくるまって。

が。

正直そこまで怖さを感じなかったです。
いや、とっても怖いんですよ?
でもSNSで皆がヤバいヤバい言う程なのかな?って。
視聴者が巻き込まれたというラストも理解しましたが、昔からよくある”見たら呪われる系”じゃないか、とね。

でも正直言いますと、展開が早かったり、大事なシーンなのに暗くて一瞬しか映らなかったりで、100%この作品を理解出来た!という感じはしなかったんです。
あれはどういうことだったんだ?多分こうかな?みたいなモヤモヤが残ってました。
私の理解力がないせいで、重要な伏線をスルーしてしまってるのじゃないかって思いまして、考察サイトを読み漁りました!

結果。
「めっちゃ怖いやんけ!死ぬぅううぅぅぅ」とSNSの皆と同じように怖がることが出来ました。(笑)

ということで、『呪詛』を見たけどイマイチ何が怖いか分からない方・伏線を知りたい方は是非この記事を読んでみてくださいね(*‘ω‘ *)

※ネタバレを含みますのでご注意ください

作品情報

【公開】
2022年(台湾映画)

【監督・脚本】
ケヴィン・コー

【原題】
Incantation

【キャスト】
ツァイ・ガンユエン、ホアン・シンティン、ガオ・インシュアン、ショーン・リン、阿Q、ホアン・シンティン

【作品概要】
映画『呪詛』は、台湾の高雄市で実際に起きた事件を元に着想され、5年の準備期間を経て制作されました。
その事件とはある6人家族が、それぞれ違う神に憑かれ、互いに攻撃し合ったり、自傷行為をするなど奇怪な行動を起こし、そのうちの1人が死亡に至った事件です。
その事件を題材にインターネットの掲示板や、YouTubeなどの動画にあげられるまことしやかな噂、裏拍手の怖い意味、チェーンメールなどの要素を盛り込んでいます。

本作は動画配信サービス”Netflix”で2022年7月8日に公開が開始されました。
同月4日から10日までの世界全体の視聴時間で、非英語映画部門の世界4位に入り、アジア地域を中心に注目を集めています(台北中央社調べ)。
また、台湾映画祭では長編映画賞・監督賞ほか7部門にもノミネートされている注目作品です。

過去に禁忌を犯し呪いを受けたリー・ルオナン。
その呪いから一人娘の命を守ろうと視聴者に語り掛けるリー・ルオナンの姿が、モキュメントの形で描かれます。

『呪詛』のあらすじ・ストーリー

主人公リー・ルオナンからのビデオメッセージから物語は始まる。
「”祈り”を信じていますか?”祈り”とは意思の力であり原理である。」と意思の力を説明した後、6年前に自身がある村でタブーをおかし呪いを受けたこと、その呪いは関わった者全てに災いをもたらす事を告げた。
ルオナンの親族は全員事故で死亡し、村で撮影したビデオカメラを警察署に持っていくと、ビデオを見た警官が自殺してしまったという。

視聴者へのお願い

ビデオに向かって記録を続ける理由は”娘を呪いから救うため視聴者に協力してほしい”からだと言うルオナン。
続けてルオナンは「万が一のために、この符号を覚えるまで見て欲しい」と謎の符号を10秒程画面に映す。
そして「この呪文を一緒に唱えて欲しい。心の中で思うだけでもいい」と言い、手の甲と手の甲を合わせたような不思議な祈りのポーズで呪文を唱えたところでビデオは止まる。

物語は数週間前に遡り、ルオナンとその娘ドゥオドゥオの関係を説明する。
ルオナンは自分が呪いにかかったと思い込んでいる”心の病”だと決めつけられ、精神科に通院をしていること。そのため子供の世話は出来ないと判断され、ドゥオドゥオは養護施設に預けられることになっていたのだった。

しかし事態は好転し、ルオナンはドゥオドゥオを一時的に預かる許可を得て、新居でともに暮らすことに。ルオナンはドゥオドゥオを心から可愛がり、ドゥオドゥオも次第に心をひらいて母子は初めて一緒に夜を過ごす。
ルオナンはドゥオドゥオの本当の名前は『チェン・ラートン』であることを告げた直後、次々と怪奇現象が起こりドゥオドゥオの様子もおかしくなってしまった。
幼稚園で友達を強く噛み、家の天井には「悪者がいる」と言い、眠ることを拒んだ。

幼稚園の監視カメラの映像には、暗闇からドゥオドゥオに掴みかかろうとする、異様に長く白い手が映し出されていた。
ルオナンは呪いのせいだと確信する。

6年前におかしたタブー

6年前。ルオナンは恋人のアードンと、アードンの従弟のアーユエンとの3人で”喃喃怪(ナンナンクワイ)チャンネル”という動画配信チャンネルを運営していた。
その日はアードンの祖父が住んでいる村で20年に1度行われる儀式の撮影と、”入ると祟られる”村の地下道の調査へ向かっていた。

村に着いたルオナンら3人は早速1つ目の儀式に参加する。それは自分の名前を祭壇に祀られた仏母に捧げ、火佛修一心薩嘸哞(ホーホッシオンイーシーセンウーマ)という呪文を唱え祈ること。
3人が唱え終わると、巫女の少女がおもむろにルオナンの前に立ち、天を仰ぎ何かをつぶやく。それを聞いた老婆が「あなた子供がいるのね。お腹にいる女の子の名前も仏母に捧げなさい。仏母は子供が好きだから喜ぶわ」と言う。自身が妊娠していることを知らなかったルオナンは驚くが、言われた通り子供の名前も捧げた。

儀式が終わると老婆は10年に1度は仏母に祈りに来るよう言い、捧げた名前は村では一切使えなくなるし、頭で思い浮かべることも禁止だと告げた。

夜に行われる2つ目の儀式は村人しか参加出来ないと言われ、宿泊部屋に案内された3人だったが、こっそり部屋を抜け出し村人たちの異様な祈りを目にする。
そこを巫女の少女に見つかり「いいもの見せてあげる」と、3人をこっそり祭壇のあった建物に連れていき、ルオナンだけ中に入れた。
そこで巫女の髪を貪り食べる巨大なカエルを見せてもらったルオナンは、巫女の左耳がないことに気づき、どうしたのか尋ねると巫女は「私は仏母に選ばれたの。だから仏母が持っていった」と言う。
ふと見上げると天井に描かれた仏母の顔のない顔面から血が滴っていて、奥を向いていたはずの祭壇の石像が一斉に振り返る。
少女は慌ててルオナンをひれ伏せさせ、あの呪文を唱え始めたところで村人たちが室内に駆け込んできた。

3人は部屋に閉じ込められ朝になったら下山するように告げられたが、ここでも冒険心が勝ってしまい鍵をこじ開けて再び部屋を抜け出した。
巫女の少女がどうなったのか気になった3人は”入ると祟られる地下道”のある場所へ侵入し、そこで耳なし芳一のように全身に経文が書かれた巫女を見つけた。まるで生贄のように横たわる少女に必死で声を掛けるが起きる気配はない。

地下道を目の前にして好奇心が抑えられないアーユエンは、地下道の入口を封印していた板を蹴り壊し、ここまで来たなら中に入ろうとルオナンとアードンを誘う。
具合の悪いルオナンは入口で巫女と残り、アードンはアーユエンと共に地下道の中へ。

しばらくしてアーユエンが発狂しながら地下道から出てきて、ビデオカメラを落とし走り去ってしまった。アードンは村人たちによって変わり果てた姿で地下道から運び出されてきた。
ルオナンはカメラを拾いアーユエンを追いかけようとしたが、巫女の少女がカメラを奪い取ろうとして離さない。ルオナンは何とか少女を振り払いその場を離れる。

アーユエンを追いかけてたどり着いた広間は、いつの間にか呪文を唱える村人たちで溢れかえっていて、彼らの身体にはいたるところに経文が浮かび上がっていた。
混乱するルオナンはカメラを持ちアーユエンを探し村を彷徨う。どこからか現れたアーユエンの口の中一面には歯がびっしりと生えていて「歯が痒い」と言いルオナンに噛みつく。しかし次々に歯がボロボロと抜け落ちてしまい、アーユエンは発狂し走り去ってしまう。

ルオナンは更に奥に進むと、アードンがまるで神仏のように村人たちに囲まれて、立ったまま火葬されていた。
それを見て逃げ出した先の小屋には、別の呪文が身体中に書かれた裸の村人たちがこちらをジーっと見ている。
そして「何も聞くな!」と叫びながら飛び降り自殺してしまったアーユエン。
ルオナンは無我夢中でカメラ片手に村を脱出したのだった。

道士に助けを求める

6年前の回想が終わり、場面は現在に戻る。
怪奇現象に悩まされる家を引っ越すことにしたルオナンとドゥオドゥオ。不動産屋との話に夢中で、目を離していた隙にドゥオドゥオは”悪者”に唆されマンションの屋上へと向かってしまう。
ルオナンは屋上にある一室を仏間としていて、そこに多数の仏像とともに6年前のビデオカメラを封印していたのだ。
ドゥオドゥオは”悪者”に言われるがままに施錠していた仏間を開けて、ビデオカメラに収められていた地下道の映像を見てしまった。
ルオナンが気づいた時には既に遅く、ドゥオドゥオは知るはずのないあの呪文を仏壇に向かって唱え、呪いの影響で下半身不随の状態になっていた。

この一件でルオナンの一時預かりは取りやめとなってしまった上に、親権剝奪の判決を受けてしまった。
養護施設の人がドゥオドゥオを保護しに来るが、ルオナンは「呪いをどうにかしないとドゥオドゥオは良くならない」と確信していたので逃亡を図る。
捕まる間一髪の所でドゥオドゥオの里親であるチーミンが助けてくれ、一緒に呪いを解く手がかりを探してくれることに。

6年前にルオナンが助けを求めた導師(霊媒師)の元へ3人は向かう。
「やはり来たか。」と導師は全てを分かっていたかのようにお祓いの準備を始めた。サカキの葉を導師とドゥオドゥオ、お互いの口の中にちぎって入れて飲み込ませ、
「7日後に儀式を行う。それまでは絶対に食事をさせてはいけない。もし少しでも食べ物を口にしたら私の命も危ない。」と警告した。

チーミンはその間に村に根付いた陳一族の過去や、経文の読解、そして破損したビデオカメラ映像の修復に奔走する。

3日目、ドゥオドゥオが高熱にうなされていたので病院を訪れるルオナン。
医者は「点滴を打つべきだが、こんな空腹状態では出来ない。何か少しでも食べさせてからだ。」と告げる。
ルオナンは自分で点滴を打つ方法を動画で学び実践する。しかし空腹で食べ物を求めるドゥオドゥオを見て、たまらず缶詰のパイナップルを一口だけ与えてしまったルオナン。

チーミンはビデオカメラ映像の解析、祈りの手印の意味、祭壇の部屋にあった天井絵、経文の意味を次々と明らかにしていく。そして最後に呪文「火佛修一心薩嘸哞(ホーホッシオンイーシーセンウーマ)」の意味を知る僧侶の元へ向かい、ルオナンに全ての意味を残したビデオメッセージを送り、自分の名前を連呼しながら机に頭を打ち付け自殺してしまう。

一方ドゥオドゥオの体に蓮コラのような”集合した小さな穴”が次々に現れ、嘔吐物の中にはあの村で見た芋虫が混ざっていた。7日を待たずして導師の元を訪れたが導師は既に亡くなっていた。そこに助手(導師の奥さん)が不気味な姿で現れ、ルオナンがドゥオドゥオに食べ物を与えたことが分かったこと、そしてあの時の儀式でお腹にいたドゥオドゥオは仏母に捧げられたのだ、と告げ死んでしまった。

ドゥオドゥオを病院へ搬送したルオナンは、待合室でチーミンによって修復された地下道の映像を見て茫然自失する。そんなルオナンを横目にドゥオドゥオは「悪者」を追いかけて病院を抜け出してしまう。
ドゥオドゥオが抜け出した先には何故か6年前の巫女が倒れていて、彼女も入院することに。

修復されたビデオカメラの映像

チーミンから送られてきたビデオカメラの映像。そこにはこの呪いのきっかけが写されていた。
絶対に入ってはいけない地下道の中、アードンとアーユエンは最奥にある部屋を見つけた。
その部屋には祭壇と、不気味な供物(髪や耳、歯など)、そして顔を布で覆われた大黒仏母の像があった。
像に近づき、顔にかかっていた布を取ってしまったアードンは発狂。供物を貪り食べ、周囲にあった複数の鏡を破壊し、その後床に自らの頭を打ち付け続けていた。
そして周囲の壁からは、長く白い手が頭を打ち付けるアードンに向かって伸びていた。

母の決意

ルオナンは自宅に戻り、何かを決意したように動画配信を始めた。
これまでの経緯を視聴者に説明し、全身に経文を書いた姿であの呪われた地下道へ一人向かう。
そして最奥部の大黒仏母に髪・歯・耳を捧げた。(入院している6年前の巫女から剝ぎ取ってきた供物です…。)
ルオナンの手足にはみるみる内に無数の穴が広がって、呪われていった。

ルオナンは視聴者に向かって、「一緒に呪文を唱えて祈って欲しい。娘を一緒に救ってほしい。」と懇願する。そして視聴者と共に祈りを終えたルオナンは、チーミンが撮ったであろう僧侶の映像を視聴者に見せた。

僧侶は”火佛修一心薩嘸哞(ホーホッシオンイーシーセンウーマ)“の意味を語っていた。
・大黒仏母は苦悩と苦痛を司る邪神である
・”火佛修一心薩嘸哞”は”禍福相倚 死生有名”という邪神への祈りの呪文がなまったものである
・意味は、”自らの名前を捧げ共に呪いを受ける”
・呪文を多くの人が唱えれば唱えるほど呪いは薄まる
・仏母の顔は呪いが集まる中心なので、絶対に見てはいけない

僧侶の映像が終わり、再びルオナンの顔がアップで映る。
「ごめんなさい、嘘をついていた」彼女が視聴者に謝った。

あの符号は仏母の呪いを他人に分け与えるものであること。呪文を祈りの言葉だと騙したこと。全ては娘の呪いを薄めるためにしたことだと告白した。

先ほどの僧侶の映像が再び映る。チーミンが撮ったはずの映像なのに、そこには妊婦姿のルオナンが映っていた。
つまりルオナンは全て知っていた上で、全ての人間を呪いに巻き込み殺したのだ。娘のために。

「出来る事なら私の子供であってほしくない。私は良い母親ではない、でもあなたには毎日幸せに生きて欲しいと心から願っている。」
そう言って目隠しをしたルオナンは「あなたの名前は?」と視聴者に問いかけた後、仏母の顔にかかっている布を取ってカメラに映した。

そして呪いの影響でルオナンは頭を何度も打ち付けて死んだ。

場面は変わり、元気になったドゥオドゥオが映し出されて物語は幕を閉じた。

感想

呪いのチェーンメールや、リングのダビングして誰かに見せる…等と同じように、”大切な人を救うために呪いを人に移す”という人間の怖さが呪詛の本質ですよね。きっと。
でも子を思う母の愛によって、怖いだけじゃなくて色々な感情を揺さぶられた映画でした。

時間軸がバラバラに映し出されるし、理解しずらい場面もありました。
未だに謎なのは、あの巫女の少女の生い立ち、そして何故突然また現れたのか。6年の間どうやって暮らしていたのか、など。。

アードンとアーユエンが地下道に入った後、巫女の少女はビデオカメラを必死にルオナンから取ろうとしてましたよね。あれはルオナンとお腹の赤ちゃん(ドゥオドゥオ)を助けたかったんだな、と思います。なのに入院している巫女から耳と歯と髪を無常に取っていくルオナン…。泣ける。

映画全体を通して中だるみすることなく、常に怖い感じで休む暇なく楽しめました!
ドッキリするような怖さではなく、じっとりと常に恐怖が纏わりついてくる感じ。最高!

続編の制作も決まっているようで、ドゥオドゥオが主役になるのではないかと。完成が待ち遠しいですね(*‘ω‘ *)
久しぶりに心躍った映画でした。

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