ぞぞのむこ ネタバレ 感想 レビュー-くれのに-どんな願いも叶えてくれる代償の呪い

ぞぞのむこ のレビュー・感想記事になります。

今回は『くれのに』のあらすじと感想を投稿したいと思います★

!ここから先はネタバレを含みます!

4.くれのに

就活に苦戦する三池は友人の吉岡と、漠市に住む友人”矢崎”の家で酒を飲んでいました。
その帰り道、三池は誤って漠市の道端にあった祠の賽銭箱に小銭を入れてしまいます。
矢崎に『安易に店に入らない』『金を払わない』と忠告されていた事を思い出し、焦る三池。
すると祠から白と黒の同じ形をした人形が重なった、フィギュアの様な物が出てきました。

白い人形の腹には”クレ”
黒い人形の腹には”ノニ”
とマーカーで書き殴った様な字で記されていました。

三池はひとまず祠に人形を戻し、漠市を後にします。
最寄り駅に着き、手を洗わないといけない事を思い出した三池は帰り道にある水道で手を洗います。
しかし石鹸がありません。
矢崎は石鹸で洗う事が大事だと言っていました。
三池は近くにあったのぼり旗にプリントされたアイドルに向かって冗談で「石鹸を出してくれい」と願いました。
その瞬間、電子音が鳴りドサドサと石鹸が頭の上から降ってきたのです。

呆気にとられていると、酔っ払いが絡んできました。
あまりにもしつこい絡みだったので、三池は「痛い目にあえばいいのに」と心の中で思いました。
するとまた不快な電子音が鳴ります。
あの祠から出てきたフィギュアが踊っています。そして曲に合わせて不思議な歌を歌いだし…

三池は自室の布団で目覚めました。
夕べの事は夢だったと思い込み、身支度をして面接へと向かいます。
遅刻ギリギリで電車に乗り遅れそうな三池は「頼む、電車!待ってくれ」と願うと、夕べのあの電子音がなりました。
三池はメッセージを受信します。
『リョーカイ』
差出人は”クレ”。
不思議に思いながらホームに登ると、行ってしまった筈の電車がまだ止まっていました。
おかげで遅刻せずに面接を受ける事が出来ましたが、3人いる面接官の内2人には好かれましたが、1人には嫌われてしまいます。

「あの人がいる限り、内定をもらえない」
「あのおっさん、いなくなればいいのに」
そう思った瞬間、またあの電子音が鳴り響きます。
電源を切っていたはずのスマホにメッセージが表示されました
『リョーカイ』
差出人は”ノニ”。
読んでいる側から文字はこぼれ消えていきました。

三池は気が付くと自室にいました。
メッセージを見た後の記憶がありません。
面接に持って行った鞄の中には資料やノートに紛れて、血のついたスパナが。。

リビングに行きTVを見ると、昼間の面接官が襲われ全治二か月の重傷だと知らせるニュースが流れていました。
又、昨夜最寄り駅で酔っ払いが暴行され、石鹸を口に入れられたという事件が起きていた事も知りました。
三池は混乱しながらも”クレ”に願いを叶えてもらうと”ノニ”に呪いを実行させられる事を理解します。

恐ろしくなった三池はなるべく力は使わないように、他人に優しく平穏にしばらく過ごしていました。
しかし、いつまで経っても内定の連絡が来ません。
三池はハッと閃き、”クレ”に内定のお願いをする事にしました。
祈った瞬間内定の電話がかかって来て、無事に就活を終えた事に安堵する三池。

さて、次は”ノニ”の番です。
三池は外を歩いている野良猫を見つけ「あのにゃんこ、丸坊主になればいいのに」と言いました。
三池が思いついた人に危害がいかない方法です。
しかしノニから受信したメッセージには『ゴマカサレナイ』と。

それから三池は思いつく限りの○○のに、を試してみましたが駄目でした。
本音の〇〇のに、ではないとノニは聞き届けてくれない様です。
悩んでいる三池の元に、友人の吉岡が訪れました。
吉岡は希望していた会社への内定が決まったと大喜びです。
三池は共に喜び祝福するも、心の中では
「何で吉岡ばっかり希望の就職が出来るんだ」
「俺はクレの力で何とか入れる会社に入っただけなのに」
「吉岡なんて、不幸になればいいのに」

メロディーが鳴り響きます。

気が付くと三池はハンドルを握っていました。
赤い回転灯と共にサイレンが近づいてきます。
三池は道路に横たわった吉岡の体を群衆の隙間から確認し、父の車のひしゃげたボンネットを見て願いました。

「吉岡を死なせないでくれ。五体満足で返してくれ」
『リョーカイ』
無傷で起き上がった吉岡に救急隊員や群衆が驚きざわめきます。

三池は矢崎のアパートへと走ります。
「矢崎、助けてくれ!」
「物事が無性に腹が立って仕方がないんだ。〇〇してくれより、〇〇のにと呪わないでいる方がずっと大変なんだ」

矢崎は解決策として三池を包丁で刺そうとします。
中途半端な人間だからクレノニのサイクルを終わらせられないのだと。

三池の頭の中ではノニがくるくると歌い、踊り、
『リョーカイ』
三池は自身の左手の3本の指を包丁で切り落としていました。

それから3年後、三池と矢崎は偶然街で再会します。
会社帰りのスーツを着た矢崎に対し、三池は良い服を着てリムジンに乗り、クラブを貸し切ろうかという所でした。

「ずいぶんと願いを叶えてもらったらしい」
と言う矢崎に、三池は視線をそらし挨拶もそこそこにリムジンに乗り込みました。
片足も片腕も両耳も方眼も失った三池は、振り返り矢崎を探しますが見つける事が出来ませんでした。

無意識に願ってしまった事が全て叶えられてしまう呪いのお話でした。
漠市でお金を払わない。それは何かと契約しない。という予防だったのでしょう。
三池はたまたま落として転がったお金が賽銭箱に入ってしまったばかりに・・・理不尽ですね。

自分の願いの為に人が傷つくのは嫌だった三池。
なら自分を傷つければ良いという発想になってしまったのですかね。
お金を、車を、何かを手に入れる度に失っていく体の一部。
最後にはどうなってしまうのか、悲しいです。
人間の欲望には底が無いですから。

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