ぞぞのむこ ネタバレ 感想 レビュー-ぞぞのむこ-きさらぎ駅が好きな人は是非!!

今回はぞぞのむこ のレビュー・感想記事になります。

“ぞぞのむこ”は井上 宮先生の第10回小説宝石新人賞を受賞した短編ホラー。
謎の町『漠市』にまつわる5つのお話からなる不条理ホラー小説です。
私はこの世界観にどっぷりハマり、何度も読み返す程大好きな小説になりました( *´艸`)

一話ずつに分けて、あらすじと感想を投稿したいと思います★

!ここから先はネタバレを含みます!

1.ぞぞのむこ

後輩の矢崎を連れて営業に出ていた島本。
しかし電車を乗り間違え、見知らぬ駅に降り立ってしまいます。
矢崎が「ここは漠市です。すぐに離れたほうが良いです。」と訳の分からない事を言いますが、島本は無視して漠市を通り抜ける事にしました。
途中、突然現れた女の子が目の前で転び、島本はその子を抱き上げて助けます。
しかし女の子は何も言わず走り去って行ってしまいました。
それを見ていた矢崎は
「必ず手を洗って下さい」「早く石鹸で洗った方が良いですよ」
等と謎の忠告をしてきます。
仕事を終えた島本は、矢崎の忠告もすっかり忘れ家に帰りました。

その翌日から島本には次々とラッキーな出来事が起こるようになります。
大きな仕事が決まったり、会社のマドンナから話しかけられたり、未練のあった元カノ”のぞみ”が家の前にいたり…

のぞみと一晩を過ごし、翌朝彼女を残して出社した島本は、偶然外でランチをしているのぞみと出会います。
島本は昨日の情事を思い出しながら話しかけますが、のぞみから「久しぶり、2年ぶりかな?」と言われてしまいます。
それならば、昨日家にあげて一晩を過ごし、今朝家に置いてきた女は一体誰なのか…

それから段々と不幸な事ばかりに見舞われる島本。
不幸のどん底にいるハズの島本だが、何故か気分は高揚していました。
どんなに酷い目に合っても、家に帰れば”偽のぞみ”を殴れるからです。

何ともいえない感触の”偽のぞみ”を殴る。殴る。
次第に”偽のぞみ”はナマコの様な形状に変化していきました。
そして、殴る度に小さな液体が飛び出します。
小さな液体は見る見る内に人の形になって、島本に「パパぁ」と呼びかけました。
恐怖で動けない島本を部屋から引きずり出し、助けてくれたのは矢崎でした。
矢崎は島本の部屋に鍵をかけ、”ぞぞ”から離れる様に忠告し去っていきました。

矢崎の忠告を聞き部屋を離れ、段々と最悪だった運気も回復していった島本でしたが、ある日を境に無断欠勤が続くようになりました。
様子を見に行くように頼まれた矢崎は島本の家へ向かいます。
島本は引っ越すと言っていたはずなのに、矢崎が着いた場所は”ぞぞ”のいる部屋でした。

ドアを開けてみると、島本は部屋中に溢れかえる”ぞぞ”に埋もれながら、ひたすらに塊を殴り続けているのでした。

ぞぞのむこ=ぞぞの婿という意味だったのでしょうか。
殴られれば殴られる程に増殖する”ぞぞ”
島本は女の子を抱き上げた時点から魅入られていたのかもしれませんね。
幸せの絶頂から不幸のどん底へ転落させて、ストレスを与え、暴力をふるわせる様に仕向けられていたのでしょう。
全ては”ぞぞ”の繁殖の為に。